全ては神の御心のままに

 fiat voluntas tua, sicut in caelo, et in terra.
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
イーデン
新たにいい男を発見したときは
「ぐふぁ!まだ世界にはこんな逸材が!!!!!今までの私の目は腐ってた!!!!こんな光明を知らなかったなんて!」
と思って悶絶するのだけど、これは滅多にできる体験ではありません。
というわけで、それを体験している今は、ちょっと幸せです。


今回私を燃えさせてくれているのは、イギリスの元首相、イーデン。
第二次世界大戦中のドイツ、ロシアに対する外交手腕で注目を浴び、スエズ戦争で失敗し、大英帝国に止めを刺して国民から大批難を受けた首相。
そして今、再評価されている政治家なんですが。


…・・・私のツボをつつきまくりです。


 そもそも出自の華がすごい。イギリス王族の血を引き、アメリカ建国に関わる祖先を持ち、しかしなぜか経済的に苦しいジェントリ出身。
 しかも美貌で長身で、WW1で尊敬する兄と可愛がってた弟を失い、学友の3割を亡くしたロストジェネレーション。しかも自分は同じ場所で武勲を立ててしまった悲しみを抱く。
「見目麗しく心に傷を負った、経済的に苦しいジェントリですって!!!んまぁ!しかも血筋はよろしいなんて、素晴らしい!!」
みたいなノリ。(ああ、私凄く馬鹿っぽいな……)



あ〜本買ってよかった。ちょっと趣味で買うには高い本だったけど、いい内容だったので、胸をなでおろしました。
現在、ラインマーカーをひきひき、ゆっくり楽しんでいます。
(『外交による平和』という、有斐閣から出てる硬派な本です。ちょっとやそっとの萌えで読むと火傷するぜお嬢ちゃん!!な本。
 この本を通して彼の政治家としての姿を追うと、私が今のところ歴史で一番興味のある時間帯をイギリスからの視線で眺めることができるので結構オトクでした。
もちろんこの私も腐女子な視線のみでこの本を読んでいるわけではありませんからね!!!)


 ところで政治家といえば、現在巷では白州のジロちゃんが人気だけど、(もちろんジロちゃんも格好いいけど)彼は日本という辺境であの容姿、あの性格だから人気が出たわけで。
 ブリテン島でイーデンの横に立たせたら、どんな感じで見えたんだろうなぁ。
 活躍した時代的にはほぼ一緒(イーデンのほうが5歳年上)だから一度本当に面会したとか記録がないか、興味はあるんですが。
| 鑑賞〜文字〜 | 17:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
悟浄さんは痴のアイコンなのです
 世の中には西遊記のパロディが出まくってるけど、私が一押しなのは中島敦の『悟浄出世』と『悟浄歎異』。
高校のときに教科書で読んだ『山月記』に感動し、早速文庫の『山月記』を買ったわけだけど、それにはおまけのように『悟浄出世』と『悟浄歎異』も付いていて、読むきっかけとなった。
 なにかしては感動するんだけど、すぐにあらを見つけてぶつぶつと文句ばっかり言ってる悟浄君には、虎になっちゃう『山月記』の主人公並みに共感したし、今となってはかわいくて仕方ないキャラだね!

 そんな悟浄君が天竺ツアーの同行者3人に対してぶつぶつ言っているのが『悟浄歎異』。
 そしてその3人と出会う前、いろいろな思想にかぶれてた時代の話が『悟浄出世』なんだけど、私は『悟浄出世』の蒲衣子のところで修行するエピソードが好きなんだ。

 蒲衣子の教えは自然に対する耽美主義というのか(いまいちよくわからないけど)、自然にめろめろになってその感覚の中に真理を見つけていくことを弟子に伝えているのね。
 この思想の瞑想のイメージは、人生で初めて宗教を宗教として認識し始めた頃、初めて座禅を組んでみたした6歳頃の感覚に似ていて、とても懐かしい気分になる。
 ずっと世界を好意的に眺めてさえすれば、この私も美しい世界の一部になれるのではないかと思いこみ。
 ずっと無になろうとしさえすれば、無になれるんじゃないかと期待が、当時のわたしにはあって。
 そして無にも真理にも到達できないのは、(私はそこまで到達できないのは、まだちょっと子供だから。大人になったらきっと、いつかきっと……)と思えていた甘さが、今となってはすっぱい記憶が、なんか懐かしいんだ。
続きを読む >>
| 鑑賞〜文字〜 | 00:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
ホシ、ホシイ
 最近は夜中とか、5時ごろ山の端が赤く染まる頃合にゴミを捨てに行くんですが、今の時期は東の空に輝く星があって、それを見ることが本当に喜びであり、楽しみであります。

 さて、何度も繰り返していますが、初めて読んだ絵本ではない本は、子供向けに訳されたジョルジュ・サンドの『愛の妖精』だけど、初めて買ってもらったハードカバーの本はというと、『ノンちゃん雲に乗る』。
 父親のススメで、小学3年の春、船橋に出来たばかりのララポートで買ってもらったのです。
 …正確に言うと、オススメしてもらったのは小学2年の時でした。
 私はパラパラと店頭でめくってみて、その本の分厚さ、活字の細かさに面食らい、一度棚に戻してしまいましたが、それから半年ほど経ったあと、リベンジに近い気持ちで自らその本を手に取り、父に買ってもらったのです。

ノンちゃん雲に乗る
ノンちゃん雲に乗る 石井 桃子,中川 宗弥
女の子のノンちゃんは神社の境内にある大きなモミジの木に登りますが……。

 人生において、なめるようにして読んだ本や漫画は多数ありますけど、常に持ち歩くほどにして読んだ本といえばこの本だけかも。サイズも、ハードカバーも、持ち歩くのに好都合でした。

 また、この本の影響も尋常ではなく、おかげで私は木によじ登って枝に馬乗りになったり、池の傍にある木をさがしたりしたものです。
(正直に申しますと、池なんて私の住んでいる町にはなく、木の傍に大きな水たまりが出来るときなんていうのは当然大雨の後で、木はびしょぬれで登れるようなものではありませんでしたから、私は一度も雲の国への切符をつかむことができませんでした)
 しかもその影響は未だに続いていて。

 この本の後半部分に、雲の国のおじいさんから、ノンちゃんが星を貰うシーンがあるんですよ。
「私もホシ、ホシイ!」
「ホシくばやろう」てな感じのやり取りで、ノンちゃんはおじいさんにアークトゥルスを貰うんですけど。
 もちろん純粋な読者の私も思いました。(私もほしい!)と。
 
 その後私はそれから貰う星を探しました。やっぱり、いい星をおねだりしたいじゃん。
 親にうるさくうるさくゴネて、プラネタリウムまで連れて行ってもらいましたよ…

 一番最初は、やっぱりシリウスがほしいと思いました。
 ただ、流石にシリウスは倍率高そうだしな…と、ちょっと遠慮する気持ちがあったので、リゲルにも心を惹かれました。青い星が良かったので。
 何百万年後かに北極星になるベガも、一時期候補でした。
 小学5年の頃に、高速で回転して潰れかけてるスピカの情報を得たので、それに心を惹かれたりしました。
 でも、お月様も捨てがたいよなぁ…月も星に入れていいのかな??と贅沢になった時代もありました。


 17年近く経った今。おねだりする星が決まりました。たぶん、これ以上の変更はないでしょう。
 私は雲のおじいさんに会ったら…その星を指差して、「あの星を、私にください」といいます。
 いえ、別に彼からお墨付きを頂かなくても、きっとあの星は、すでに私の星です。
| 鑑賞〜文字〜 | 16:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
斉藤化学I・II講義の実況中継
 最近は化学をやり直したくて、参考書を買いました。
 『NEW斉藤化学I・II講義の実況中継―高校化学 (1)
 受験生には有名なシリーズ、実況中継シリーズ。いつぞやは私もお世話になりました。(とはいっても、『青木の世界史』しか手にしていないのだけどね)
 

 実は私、高校1年の頃は化学が大嫌いで大嫌いで、授業すら嫌でしょうがなかった人です。
 どの教科も無意味に覚えるのが苦手だったから、元素記号と周期表覚えさせられる化学は本当に苦手でした。
 しかも、一度抱いてしまった疑問は判らないと気持ち悪くて進めない性格だったので、4月序盤に抱いてしまった『アボガドロ数とアボガドロ定数の違い』について一ヶ月ほどこんこんと思い悩み、お陰でその違いを理解した頃には、授業から1か月分遅れを取っていた、というミスもやらかしました。
(ちなみにこの『アボガドロ数とアボガドロ定数の違い』は、確実に授業で出てきてチャート式にもちゃんと解説はのっていますが、進度の速い授業ではくわしい説明はなされません。私は別の先生の授業を受けている友達に、説明してもらったかどうか尋ねたのですが、誰一人として「そんな説明聞いてない」とこたえていましたから)

 しかし現在。
 「覚えなきゃ赤点!」という恐怖も無く、「止まったら遅れる!」という恐怖も無く、「まあ、適当におぼえて、忘れたら表見ればいいや」「判らなかったらゆっくりやればいいや」というスタンスで勉強し始めた現在、興味が湧いて湧いて、しょうがない。
 
 
 たとえば・・・15の春は、電子軌道の一番内側の軌道を『K殻』と呼ぶのが、訳わからなくて気に喰わなかったのですよ。 
 だって、『K殻』から順に、『L殻』『M殻』『N殻』・・・と続いていくんですよ?
 なんで、Aから始めないのか!?というのが、私の素朴な疑問でした。
 私は短気なので、一度気に入らないとブチ切れたまま終了、というパターンが多いのですが・・・実況中継にはちゃんと書いてありました!
 K殻を始めて見つけた学者が、そのK殻よりもっと内側に電子の殻があると思ったんだね。それで、アルファベットのAから始めると、内側の電子殻に名前がつけられないからKからつけたんです。ところが実際には、内側の電子の軌道はなかったので、Kから始まったというわけです。((1)p6)

 参考書開いて6ページ目で、早速ひとつ、疑問が解消!
 すばらしい!

 こんな感じで、今日も余計なことをしています。
| 鑑賞〜文字〜 | 21:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
頭痛確率100%
 最近は昔のアニメと動画ばかりみて、映画もまともに見ていませんし、本を全く読んでいません。
 5月は『ソーネチカ』と『映画『アンダーグラウンド』を観ましたか?―ユーゴスラヴィアの崩壊を考える』の二冊だけでした。
 薄い本しか手に取る気力がないのです。

 ところで、『映画『アンダーグラウンド』を観ましたか?』を読んでいる最中、不思議な事象が起こりました。
 それを手に取ると、20分後には頭痛が引き起こされる!
 5回ほど読むのを中断したのですが、5回とも、頭痛を理由に読むのをやめたのでした。
 『アンダーグラウンド・・・』は、映画を通して旧ユーゴの紛争を扱っているので、小難しい政治の本ではありますが、活字も大きいし、文章も読みやすいので、本に理由があるとは思われない。
 私の行動で頭痛を引き起こしているかもしれない要因も、ベッドに寝転がって読書したことくらいなもので、それは『ソーネチカ』のときと同じ状況ですから、ますますわけがわかりません。
 なにかの呪いでしょうかね?

・・・それぞれ2冊とも、皆にオススメしたいいい本なのですが、感想とPRを書く元気がないので、今日はこの辺で。
 さよなら さよなら さよなら
続きを読む >>
| 鑑賞〜文字〜 | 23:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
子供に見せたくない絵本
 ちょっぴり、昨日の日記の続きテイストですが。

 私は子供に見せたくない絵本のファンです。
 19歳のとき、エドワード・ゴーリーの絵本に魅了されて以来、収集したくてたまりません。
 特に『不幸な子供』はハートを狙撃されてしまいました。
不幸な子供
不幸な子供 エドワード ゴーリー, Edward Gorey, 柴田 元幸

 『小公女』のパロディで、無垢な子供がただひたすら不幸になっていき、最後まで救われない話。
 将来作られるであろう、CAKYPAコレクション博物館の真ん中に飾りたいほど、私のツボが権化されています。


 ゴーリーは他の作品もいいけれど、今一番欲しいのは、アンディ・ライリーのコレです。
自殺うさぎの本
自殺うさぎの本 アンディ ライリー, Andy Riley

 書評を読むと、『とりあえずうさぎが自殺しまくる話』とのこと。
 そして、なぜうさぎが死にたいのか、理由は書いていないとのこと。
 続編があるのですが、まだ訳されていないようです。


 この2冊を挙げた時点で、私の趣味がみえてくると思いますが、このあたりで王道を紹介。エミリー・ザ・ストレンジ

エミリー・ザ・ストレンジ
 コズミック・デブリ, 宇多田 ヒカル

 あまりにも有名なので、説明することも無いでしょう。

 で、上記の3冊とは毛色が少し違いますが、同じく子ども向きじゃない絵本を2冊。
 一つ目は高校時代、本屋でまどぅが発見した『風が吹くとき』。
風が吹くとき
風が吹くとき レイモンド ブリッグズ, Raymond Briggs, さくま ゆみこ

 表紙を見れば、全てがわかりますね。
 政府に素直に従っていたら、いつのまにか被爆してしまったお人よしの夫婦のお話。暗めの絵は正直キツい。

悲しい本
悲しい本 マイケル・ローゼン, クェンティン・ブレイク, 谷川 俊太郎

 これは凄い。悲しみとはなんなのか、それを思い知った大人しかわからないことが淡々と書かれています。
 別に子どもに見せたくないってわけじゃないけど、まだ早いよなーとは思うし、紹介したい内容なので載せます。



 ここまで書いた後に判ったこと。
 『絵本ならべ』というサイトで、検索で『主に大人向け』と絞ったら、上記に紹介したほとんどが出てきましたよ・・・orz
 このサイトを紹介すればいいだけだったのに、私の労力は一体なんだったんだろう・・・
| 鑑賞〜文字〜 | 00:38 | comments(2) | trackbacks(0) |
いやだぁ・・・
 クンデラっちの小説で、『別れのワルツ』というものがあるんですが。(以下ネタバレ注意)

 一名、スゴい医者で出てくるんです。
 不妊症治療の名医で、彼にかかれば大抵の不妊は治る!って口コミで有名な奴なんですけどね。
 そいつ、脳みそがちょっとイっちゃってて、「不妊の原因の大半は、受精する機会が少ないから」という、誠に理にかなった持論を所有しているのですけど、さて彼はどうしたかというと、タイミングをちゃんと計り、患者に「このクスリを入れれば妊娠します」とか言って自分の精子を入れるわけ。
 そりゃあ、効果絶大だわな。
 で、その秘密を告白された医者の友達は、その町の子供たちが、どこかその医者に似ていることを感じ取って、「コレこそ世界征服だよ・・・」とガクガクブルブルするというエピソードがあるんですけど。

(この本を卒論にしようか悩んだのと、この医者のイっちゃってるっぷりが妙に好みなのはまあ、ひとまず置いといて)

 BUMPの『ダンデライオン』のフラッシュをみて、どうしてそいつのイメージが頭に浮かぶんでしょう・・・orz 
季節は巡り 春が訪れ
谷底まで 金色の化粧
一面に咲く タンポポの花
ライオンによく似た姿だった

 そのフレーズまで全然脈絡も縁も一切無いのに、最後のフレーズだけでどうしてこんなことが・・・
続きを読む >>
| 鑑賞〜文字〜 | 03:56 | comments(3) | trackbacks(0) |
NEW | TOP | OLD >>